第65回
【知って得する動物の病気の豆知識 その61】
「ヒトはなぜペット(伴侶動物)を飼うのでしょう!?」
皆さんこんにちは。
今月は「ヒトはなぜペット(伴侶動物)を飼うのか?」と言うことに関して、少し掘り下げて考えてみようと思います。

※最近はペットと言う呼び方でなく、「伴侶動物」とか「パートナー」、時には「家族」と呼ばれています。もちろん世の中には動物が苦手な方も沢山いらっしゃいますし、動物は好きでも様々な理由で、現在動物を飼われていない方もいらっしゃると思います。現在動物を飼っている方だけでなく、少しでも動物に興味をお持ちの方々に読んでいただけたらと思います。

 

初めに言いましたこの壮大とも思える問いに対する答えは、人それぞれ考え方や感受性、更に環境や経験も違い、どの考え方が正しいとか、逆に間違っているとかは言えないと思います。
私がこんな大きなテーマを今回選んだ理由は、残念ながら少しの間(当分)この「動物病院だより」をお休みしなくてはいけなくなったという事が1つあります。
当初よりこの「動物病院だより」のコーナーを通して、多くの飼い主さん達に動物の病気に関する知識を持っていただく事で、病気の早期発見、更に早期治療に役立って頂けたらと思い、およそ5年間にわたり毎月更新してまいりました。毎月のテーマの中でアニマルセラピー(正確には動物介在活動です)やペットロスといったことにも触れさせていただき、私自身、動物たちが我々に与えてくれようとしている物が少しずつ見えてきたようにも思いました。そして最終回になるかも知れない今月のテーマが「ヒトはなぜペット(伴侶動物)を飼うのでしょう!?」となった訳です。

 

その問いに対する解答には、下記のような理由を始め、様々な答えが予想されます。
(下記は今までの患者さんたちの声も色々と参考にさせてもらってます)
  • 仔猫が捨てられていて、そのまま見過ごせなかったから……。
  • 一人暮らしでなんとなく寂しかったから……。
    おかげで、今は私の帰宅をいつも玄関で待っていてくれてるんですよ!
  • 僕は動物が苦手だったんだけど、彼女が動物好きでチワワを買ったんだ。
    でも一緒に居るうちにとても可愛く思うようになったよ!
  • この子と散歩に行くようになって、歩く距離も増え、健康にもいい感じだね。
  • なんとなく飼い始めただけなのに、今では家族の一員!嬉しい時・悲しい時・苦しい時、いつも隣に居てくれます。
  • 動物を飼うと結構手間や費用が掛ることもあるけど、動物は純粋だね〜。
    仕事から帰るとポチはおれのあぐらの中に入ってくる。頭をなでてやるといつまでも尻尾を振ってるよ。
    それに引き換え女房はいつも細かい事にうるさいし(女房の方々済みません)子供たちは反抗期!
    おれの気持ちを一番分かってくれているのは……ポチだな!
  • ペットショップに行ったらこの子がずっと私を見つめていて「あっ、この子だ!」と直感したの。
    この子のあの時の眼差し忘れられないわ。
  • 私が動物看護師を目指そうと思ったきっかけを、このミケがくれたの。
    いつの間にか住み着いたミケが私の人生を決めたのかも……。

 

さて、今一度お聞きいたします。

 

「あなたはなぜペット(伴侶動物)を飼っているのですか……?」

 

いつも一緒に居るパートナーを、日頃の忙しさにかまけてついつい見直す機会を見つけ出せない方も多いかと思いますが、この今月号をきっかけに、一度見直してあげるのも良いかなと思いませんか?

 

「あなたは、あなたの大切なパートナーに、なにを与えてあげる事ができていますか?」
「あなたのパートナーは、あなたに何を与えてくれていますか?」

 

 

小さな頃から虫や動物が好きだった私は、何か自然に獣医師になったようにも思いますが、振り返ると小学生の頃、私が見守り、見つめ続ける中、病気で亡くなって行ったシェルティーが獣医師を目指すきっかけになってくれたのかもしれません。そして獣医師になってから25年程経つ間に、多くの方々・多くの動物達と接する機会を得ることができました。
そして、沢山の方々のそれぞれの動物との出会い・別れにも立ち会ってまいりました。

 

又、この5年間、毎月「動物病院だより」の原稿を書くことを通して、動物達の存在の意味を更に考えるようになったと思います。私自身のことではありますが、「ペットロス(マスダ家の場合)」ではプードルのミルキーが亡くなった時の事を書く機会を得、「輝ちゃんの闘病物語」では頑張り続けたシーズーの輝ちゃんの事を書く事ができました。
動物病院だよりに書くことにより、改めてミルキーや輝ちゃんの事を考え、存在の大きさを噛み締めました。

 

動物達と一緒にいる事で優しい気持ち、幸せな気持ちになれる時があります。
ミルキーも輝ちゃんも、沢山の物を僕たちに与え、たくさんの事を教えてくれました。そして純粋な目・天使の顔で亡くなっていきました。
その頃から「動物達はそれぞれみんな何かのメッセージを伝えるための使命をもって我々の前に現れる天使なのではないか」と思うようになりました。何かは分からない「それ」を与えてもらうために、動物を飼うのではないかと思います。

 

「それ」はきっと人それぞれ違う物だと思います。
そして「それ」を与えてもらう側の心次第で変わってくる物だとも思います。

 

今一緒に居るパートナーから何をもらっていますか?
きっと、あなたがあなたのパートナーを大切に思えば思うほど、素晴らしい物(「それ」)をパートナーからもらっている事と思います。

 

毎月のお便りのさいごにいつも書かせていただいているフレーズを、最後にもう一度書かせていただきます。

 

もの言えぬ動物達の場合、飼い主さんが気付いてあげることが重要なのです。
動物達が私たちに安らぎを与えてくれるお返しとして、
動物達が楽しく健康でいられるように気遣ってあげる事が飼い主さんの勤めとも言えるでしょう。
そのためにも、この「動物病院だより」が少しでもお役に立てればと考えております。

 

「皆さんにまたお会いできる日を楽しみにしております。
マスダ動物病院 院長 増田敏行」
Illust:LES5CINQ(Copyright 2002-2005 All rights reserved.)
※この『動物病院だより』は2002年から2005年まで『ペット情報サイトプチアミ』内で連載していたものです

 

 

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