第18回
【知って得する動物の病気の豆知識 その14】
「玉ネギ中毒(ネギ中毒)」
今月は玉ネギ(ネギ)中毒についてお話し致します。
動物を飼っている方の多くは、1度は耳にしたことがあることと思いますが、今月はこの病気を少し詳しくお話ししたいと思います。
このAllypropyl-disulfideという成分は、玉ネギを切った時に涙を出させる成分です。また、この成分は加熱しても変化せず、また、煮汁やスープ・味噌汁等の汁にも溶け出してくるので、その汁だけ与えても病気を起こしてしまうことがあります。
それではこの成分を摂取すると体の中でどのような変化が起こるのでしょうか?
この成分は血液中の赤血球に作用し、赤血球を破壊・変形(変形した赤血球も結果的には体内で破壊されてしまいます)させてしまいます。
本来、赤血球は細胞膜という膜でつつまれていますが、その細胞膜が破壊されると赤血球内のヘモグロビン(=血色素:酸素を運ぶ赤い色素や鉄を含む成分)が血液中に出てきてしまい、この現象を溶血と呼んでいます。
したがって、玉ネギ中毒等で急激に溶血が体内で起こると貧血し、また血液中に多量のヘモグロビン(血色素)が溶け出し、肝臓(血色素を処理する臓器)に負担をかけ、また、腎臓では血管につまり、腎臓の働きを阻害してしまうのです。
重要なことは「玉ネギ(ネギ)中毒は飼い主さんが正しい知識を持ち、ちゃんと注意しておいてあげれば予防できる病気」だということです。
もの言えぬ動物の場合飼い主さんが気付いてあげる事が重要なのです。動物達が私たちに安らぎを与えてくれるお返しとして、動物達が楽しく健康でいられるように気づかってあげる事が飼い主さんの務めとも言えるでしょう。
そのためにも、この「動物病院だより」が少しでもお役に立てればと考えております。
他にもこんなことが知りたいということがあれば、お電話でも「ペット相談室」でもお気軽にご相談下さい。
動物を飼っている方の多くは、1度は耳にしたことがあることと思いますが、今月はこの病気を少し詳しくお話ししたいと思います。
玉ネギ・ネギ・ニンニク等のネギ類にはAllylpropyl-disulfide(アリルプロピル・ジサスファイド)という動物達にとっては有害な成分が含まれており、この成分が血液中の赤血球を変性・破壊し、貧血や血尿(血色素尿)を起こし、最悪の場合死に至ることもある病気です。
このAllypropyl-disulfideという成分は、玉ネギを切った時に涙を出させる成分です。また、この成分は加熱しても変化せず、また、煮汁やスープ・味噌汁等の汁にも溶け出してくるので、その汁だけ与えても病気を起こしてしまうことがあります。
それではこの成分を摂取すると体の中でどのような変化が起こるのでしょうか?
この成分は血液中の赤血球に作用し、赤血球を破壊・変形(変形した赤血球も結果的には体内で破壊されてしまいます)させてしまいます。
本来、赤血球は細胞膜という膜でつつまれていますが、その細胞膜が破壊されると赤血球内のヘモグロビン(=血色素:酸素を運ぶ赤い色素や鉄を含む成分)が血液中に出てきてしまい、この現象を溶血と呼んでいます。
したがって、玉ネギ中毒等で急激に溶血が体内で起こると貧血し、また血液中に多量のヘモグロビン(血色素)が溶け出し、肝臓(血色素を処理する臓器)に負担をかけ、また、腎臓では血管につまり、腎臓の働きを阻害してしまうのです。
■症状
- 貧血:歯ぐきの色が薄くなったり、動くのが大変そうになる。
- 赤色〜お醤油色の尿:第6回知って得する動物の豆知識「うんち」と「おしっこ」の話を参照して下さい。
- 黄疸:肝臓に負担がかかり、歯ぐきや白眼の色が黄色っぽくなる。
- 嘔吐:腎臓の機能が落ち腎不全及び尿毒症になると嘔吐するようになる。
- 元気・食欲の低下。
■治療
- 玉ネギ・ネギ類の入った物を与えないこと。そういった点でも日頃、人の食事を与える癖をつけない事。(ハンバーク・シュウマイ・炒め物・スープ等は要注意)
- もし食べてしまったら体内に吸収される前に動物病院にて早めに吐かせる、あるいは胃洗浄をしてもらう。(重要)
- もし摂取から時間が経ち吸収されてしまったら、動物病院にて早めに受診して下さい。
玉ネギ中毒は動物種により差があり、犬はなりやすく猫はなりにくいとされています。ただし猫でも多量に摂取した場合は、玉ネギ中毒を起こすことが証明されています。また、動物種差と同様に個体差もかなりあるようで、少量の摂取で大事に至ってしまったケースもあれば、玉ネギ中毒の事を知らずにある程度与えていても何も起こらなかったというケースもあります。(ただしこういったケースでも、もしもう少し量を多く与えていたら発症していたかもしれません)
今月は「玉ネギ中毒(ネギ)中毒」についてお話致しました。
重要なことは「玉ネギ(ネギ)中毒は飼い主さんが正しい知識を持ち、ちゃんと注意しておいてあげれば予防できる病気」だということです。
もの言えぬ動物の場合飼い主さんが気付いてあげる事が重要なのです。動物達が私たちに安らぎを与えてくれるお返しとして、動物達が楽しく健康でいられるように気づかってあげる事が飼い主さんの務めとも言えるでしょう。
そのためにも、この「動物病院だより」が少しでもお役に立てればと考えております。
他にもこんなことが知りたいということがあれば、お電話でも「ペット相談室」でもお気軽にご相談下さい。
Illust:LES5CINQ(Copyright 2002-2005 All rights reserved.)
※この『動物病院だより』は2002年から2005年まで『ペット情報サイトプチアミ』内で連載していたものです
※この『動物病院だより』は2002年から2005年まで『ペット情報サイトプチアミ』内で連載していたものです
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