13歳の雑種ラッキー(メス)について相談させて下さい。
4月に末期ガンと診断されました。詳しいことは教えてもらえませんでしたが、臓器の形が分からないほどひどいといわれました。
手術も出来ないとのことです。
抗がん剤による治療はせずに、「プレドニゾロン」という錠剤を一日おきに2錠ずつ飲ませていますが、日に日に食欲が増し、常に食べ物をせがんで鳴いています。実際体重も増えた気がします。
先生は、薬の副作用と言いますが、本当なのでしょうか?
あと、やたら狭いところに入りたがったり、同じところをクルクル回ったりしています。これも、何か関係があるのでしょうか?
お忙しい中申し訳ありませんがどうか教えて下さい。
よろしくお願い致します。(みっちーさんより)
こんにちはみっちーさん。13年間のパートナーのラッキーちゃんの病気が末期ガンとのこと、大変つらい想いをしていることと思います。
みっちーさんの質問のポイントはいくつかあるので、ポイントごとにお答えして行きますが(私が直接ラッキーちゃんを診察している訳ではないので、私のできる限りのなかで)その前に一言アドバイスさせて頂きたいと思います。
それは「4月に末期ガンと診断された時に詳しい事は教えてもらえなかった」と言う点です。飼い主さんとして自分の愛犬の病気の状態を詳しく知りたい事は当然ですし、動物病院の先生も飼い主さんに病気の事を理解してもらっている方が、お互いに安心して治療できると私は考えています。
したがって「教えてもらえなかった」というよりは「先生がよっぽど忙しかった」のかな?と思いますので、もう一度ラッキーちゃんの病気について詳しくお話ししてもらったらどうかと思います。
ラッキーちゃんは末期ガンとの事なので、おそらく根治は難しいと考えられます。
したがって治療の目的はQOL(クオリティー・オブ・ライフ:残された余命を苦痛なく、質の高い生活を送れる様にする事)に向けられます。そう言った中でラッキーちゃんが飲んでいるお薬(プレドニゾロン)を使用する事もあるかと思います。
一般的にお薬には主作用(その薬の目的の作用)と副作用(その薬の本来の目的以外の作用)とがあると考えて下さい。したがって本来の目的以外の作用は全て副作用ということになります。言いかえると患犬にとってプラスとなる副作用もあるわけです。
ラッキーちゃんの飲んでいるお薬には確かに食欲が増す(副)作用もありますが、ラッキーちゃんの様に末期ガンの場合食事をとってくれた方が良いと思われますので、歓迎すべき副作用と言って良いのではないでしょうか。このお薬のその他の副作用はかかりつけの先生に相談してみて下さい。
あと、やたら狭いところに入ったり、同じところをクルクル回ったりするとの事ですが、その症状は犬の場合「痴呆」の症状の1つと考えられます。その他にも夜泣きや、物事に対して無反応になる等の症状があります。
ラッキーちゃんの場合はガンとの関係も捨てきれませんが、少なくとも今飲んでいるお薬との因果関係はないと思われます。
余談ですが、犬の「痴呆」をある程度改善させてくれる可能性のあるサプリメント等が、動物病院にありますので興味がある場合は、かかりつけの先生に相談してみて下さい。(2002.6.11)