5年飼っているオス犬(雑種)なんですが、おしっこを頻繁にします。あまり量がでないときでも、長いことおしっこする体勢でいて、最後には少し血が混じります。ここ1週間ほど尿もれもし、夜など布団が子どものおねしょほど濡れています。昼間も喜んで尻尾を振るとポタポタと尿がもれてます。(久野さんより)
こんにちは久野さん。5才のオスの犬のおしっこの問題ですね。
久野さんのおっしゃる症状別に整理していきましょう。
1.おしっこを頻繁にする→頻尿
2.あまり尿が出なくても長いことおしっこの姿勢でいる→尿が出にくいまたは残尿感
3.尿の最後に血が混じる→血尿
4.尿漏れとおねしょ→尿漏(おしっこが漏れてしまう状態)
以上の症状を整理すると(5才という年齢も加味して)いくつかの病気が考えられます。
A.膀胱炎:原因にはいくつかありますが代表的な原因として3つあげてみます。
1.細菌性膀胱炎:膀胱への細菌感染により起こります。
2.膀胱結石または結晶による膀胱炎:膀胱内に結石ができることによる→動物病院だよりの「F.U.S」を参考にして下さい。犬に当てはまる部分も多くあります。
3.膀胱の腫瘍による膀胱炎:多くはありませんが膀胱の腫瘍(膀胱癌等)による血尿等の膀胱炎。
B.尿道の閉塞(つまること)や狭窄(せまくなり出にくくなる事)
1.尿道の結石により閉塞または狭窄:A-2の膀胱炎の結石に併発して起こる。特にオスの尿道は細いので小さな結石でもつまりやすい。(重要)
2.前立腺の腫大:膀胱からの出口にあるオス独特の生殖器の分泌腺で去勢手術をしていない5才以上のオス犬の半分以上は腫大しはじめると言われています。腫大の程度がはげしいと、尿道を圧迫し、排尿しにくくなったり尿漏や血尿を起こす場合があります。
3.尿道自体の狭窄:尿道に傷がついてしまうと尿道がせまくなってしまう。
他にもいくつかの病気が考えられますが、久野さんのお話からすると可能性の高い病気は今述べた病気があげられます。どの病気も早めの診断・治療が必要となりますが、B-1の尿道の閉塞は特に緊急性があります。
早めにかかりつけの動物病院で診察を受けることをおすすめ致します。おそらく尿検査やエコー検査・レントゲン検査等により診断が可能かと思われます(他にも必要な検査があるかもしれませんが、これ以上はかかりつけの先生にご相談下さい)。(2003.1.15)