記事一覧

犬歯の歯茎が丸くぷっくり膨らんでいます

(ゴールデンレトリバー/オス/9歳/名前・パテック)
数ヶ月前に上の犬歯の歯茎が丸くぷっくり膨らんでいるのが見つかりました。続き
病院へ連れていくと急激に大きくなったら又連れてきてくださいと言われました。
最近その部分が大きくなってきて一つ前の前歯に当たりそうなくらいの大きさになっています。
病院で診てもらったところステロイド剤を使いましょうかと聞かれたのですが、結局もう少し様子を見ることになりました。カリフラワーのようになったらよくないとか先生がおっしゃっていたのですが、それは「ガン」という意味なのでしょうか。ステロイド剤以外に治療をすることになったら外科的手術で完治するのでしょうか? とても怖いです。(パテックままさんより)


パテックままさん、こんにちは。
9歳/雄/ゴールデンレトリーバーのパテックちゃんの犬歯の歯茎が、丸くぷっくり膨らんでいるのを、数ヶ月前に発見し、最近大きくなってきたとのことですね。

歯茎に限らず、体にできるしこりには、色々なものがあります。
代表として、
1)炎症
2)化膿
3)血腫
4)腫瘍...etc
などがあげられます。

それぞれ、病気の重大度、治療法が異なりますので、早期にいずれの原因かを調べる必要があります。そのためのひとつの方法として、ニードルバイオプシー等に代表される細胞検査(細胞診)があげられます。第32回動物病院だよりを参照してください。

パテックちゃんの場合、数ヶ月の経過で(自然に小さくなることや膿が出てくることもなく)徐々に大きくなってきている様子なので、単なる炎症や化膿の可能性よりも、腫瘍の可能性を考え、早めに対応してあげたほうが良いと思われます。
腫瘍と言っても、良性の腫瘍もあれば悪性の腫瘍もあります。
良性の場合と悪性の場合では、治療方法(いずれであっても基本的には外科手術ということになると思いますが)が変わってくる可能性もありますので、やはり、まず第一に行うべきことは、ニードルバイオプシー等による細胞診だと思います。
細胞診をすることにより、「腫瘍か否か」「腫瘍とすれば良性のものの可能性が高いのか、悪性のものの可能性が高いのか」等の情報が期待できます。
ただし、歯茎にできる「しこり」の場合、硬いもののことも多いので、ニードルバイオプシーのように「針を穿して細胞を取る」という方法ではうまく細胞が取れないケースも考えられます。
その場合は、その「しこり」の一部(部分切除)あるいは全部を摘出し、病理検査を行うという方法になると思います。

まとめますと、現在の外観だけから、腫瘍か否か等を判断することは、難しいと思われます。早期に細胞診を行い、その結果に応じた対処法を検討すべきだと思います。 (2005.8.16)