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肺転移をしていたら今後が心配です

(ネコ/メス/10歳/名前・エヴァ)
今日から急に食欲がなくなってきました。息が苦しいのかお腹が上下するのが早くなってきたようです。続き主治医の先生がおっしゃるにはレントゲン撮影をしてみないと分からないが最悪の場合、肺転移も考えられるとの事でした。
今はまだ口を開けて呼吸したり咳は出ていません。
肺転移をしていたら、今後どのようになるのですか?
治療は無理だとしても楽に生活させてあげる方法はありますか?
多飲ですが投薬は現在バキソしかしていません。主治医の先生は炎症がおきていると水を欲しがるかもしれないとおっしゃっていました。少しでもストレスがないように薬も私だけが病院に取りに行っているので、レントゲンも血液検査もしていない状態です。
炎症性乳癌と言われた日から最悪の事態は覚悟して欲しいと言われてきましたが、残り少ない日々がどのように過ぎて行くのか私自身、把握しきれていない部分があり、今後どうなって行くのかが心配です。
私のつたない文章のメールでは判断が大変難しいと思われますが、教えていただけると嬉しいです。お願いします。(さくらさんより)


さくらさん、こんにちは。
今回のさくらさんのお話しからすると、エヴァちゃんの状態は少しずつ悪くなってきているようですね。

猫の乳癌の場合、転移することも多く、特に肺は転移を起こしやすい臓器のひとつです。
肺に転移を起こした場合、胸腔(胸の中)に胸水(水)が溜まってくることがしばしば起こります。
胸水に徐々に量を増していき、少しずつ肺が膨らむのを邪魔するようになります。
胸水が少量のうちはあまり目立つ症状は出ませんが、中等度以上胸水が溜まってくると、動きたがらなかったり、リラックスして横になることが少なくなり、常に伏せをしている状態になります。
更に胸水が溜まると呼吸に伴った胸の動きが大きくなり、呼吸数も早くなってきます。また、伏せの状態でも肘を少し上げるような姿勢(肘が目立った感じ)をとるようになります。
更に胸水が溜まると犬のおすわりのような格好(犬座姿勢)をとったり、口をあけて呼吸をするようになります。この状態までいくと、呼吸不全など起こしかねない、かなり危険な状態といえます(咳は出る場合もありますし、出ない場合もあります)。

もし、胸水が溜まり呼吸が苦しくなった場合、少しでも呼吸を楽にするために(少しでもQOLを良くするために)胸水を抜くことがあります。
胸水を抜くべき状態なのか、あるいは胸水を抜ける状態なのかは、実際に診察した獣医師が判断します。ただ、根本療法ではないので、再び胸水が溜まってくる確率はかなり高いと思います。
これらのことを、エヴァちゃんのQOLを考える上での、ひとつの参考にしてみてください。 (2005.4.1)