(Wコーギー・ペンブローク/メス/4歳4ヶ月/名前・りん)
先日アジソン病の件で質問させていただきましたMarikorinです。早々に的確な回答ありがとうございました。
書き込みをした時は、まったく食欲がなく、とにかく心配で慌てて質問させていただいたという状況でしたが、あれからまた通院し、薬の量を増やしてもらったりして、今は食欲もかなり出てきました。
かかりつけの先生いわく「今は薬の量を確定するための時期」との事でした。食欲は出てきましたが、まだ体の震えもあり、元気も今までのようには戻っていませんので、これからの状況次第で、薬の量をもっと増やしてもらう必要があるのかなと思っています。
水の件ですが、かかりつけの先生の話では、水の飲ませ過ぎはかえって脱水状態を悪化させるので、ご飯の時のみ与えるようにして、どうしても欲しがるようであれば、ポカリスエットと水を半々にしたものを与えるか、氷をなめさせるようにと言われました。
これから症状がよくなってきても、今まで通りに水を置きっぱなしにしてはいけないかと質問したら、やはり水は制限するようにとの回答でした。
与え過ぎない程度に、あげてもいいでしょうか? 尿の回数も多いですし、犬自身はかなり欲しがります。
今一度、マスダ先生のご見解をお聞かせ頂きたくお願い致します。(Marikorinさんより)
Marikorinさん、再びこんにちは。
現在、リンちゃんの食欲がでてきたとのこと、とりあえずよかったですね。
アジソン病は、副腎という臓器の機能が落ちてしまう病気です。
副腎という臓器は腎臓の前に左右一対ある小さな臓器ですが、とても重要な色々な働きをしています。
そのうち、最も重要な働きの1つと思われるのが、本来副腎から分泌される鉱質コルチコイド(アルドステロン)というホルモンの働きです。アジソン病(副腎皮質減退症とも言います)の場合、このホルモンの分泌が減少してしまうのです。
この鉱質コルチコイドというホルモンの一番重要な働きは、血液中のナトリウム(Na)・クロール(Cl)・カリウム(K)といった電解質(いわゆるポカリスエット等で言われている(イオンサプライの)イオンと考えて頂ければ結構です)のバランスを調節しているということです。
アジソン病になると、ナトリウム(Na)とクロール(Cl)の血中濃度が低下し、逆にカリウム(K)の血中濃度が高くなってしまい、様々な症状を現わします。
したがって、アジソン病に対するお薬(鉱質コルチコイド及び糖質コルチコイド製剤)が、一番根本的な治療(不足しているホルモンそのものを補う)となります。
飲水の制限に関しては、おそらく主治医の先生のお考えでは、水分を取り過ぎると、血中のナトリウム(Na)・クロール(Cl)等が更に下がってしまうかもしれないという心配なのでしょうか?
しかし、飲水の制限を過度に行なうと、重大な問題を引き起こしかねないということも事実なので、その点に関して、主治医の先生と良く相談して慎重に行なう必要があると思います。
アジソン病のお薬の適量が決まり、血中のナトリウム(Na)・クロール(Cl)・カリウム(K)の濃度が安定すれば、もっと自由にお水を飲めるのではないかと思います。
いずれにせよ、お薬でのコントロールが、一番重要なカギとなると思います。(2005.3.22)