（ネコ／オス／3ヶ月／名前・Tigger）
ネコの尿漏れについてお伺いします。一週間前にアメリカ現地の愛護協会から子猫を譲り受けました。
健康体で病気の心配がないということでした。1回目の予防注射と去勢手術も済ませてありました。
貰ってきた日から食欲もありトイレも問題なくほっとしていましたが、体臭が気になりました。シャンプーもしましたが、一時消えますがしばらくするとお尻のあたりからかなり匂います。どうやら少しずつ尿漏れしているようです。
先住ネコ（1歳）がおりますが、徐々に仲良くなって来ているように見えます。尿漏れが、去勢手術によるものなのか、ストレスからくるのか、しばらく待てば収まるものなのかお伺いしたいと思います。（チビママ☆さんより）
チビママ☆さん、こんにちは。
生後3ヶ月のオス猫のTiggerちゃんが、どうも尿漏れをしているかもしれないということですね。
その匂いは、実際に尿の臭いがするのでしょうか？
おしりのあたりが臭うケースで尿以外に肛門嚢という分泌腺の分泌物が出て臭うケースもあります。肛門嚢の分泌物は尿の臭いとは全く違いますので、すぐにわかると思います。
肛門嚢に関しては、動物病院だよりを参照してください。
もし、肛門嚢の分泌物ではなく、尿だとすると、ペニスの周囲が常に濡れている程もれているのでしょうか？ あるいは、常に少量ずつもれているのでしょうか？
尿漏れは、高齢というファクターやホルモンのアンバランスによって、膀胱の出口の筋肉がゆるみ漏れてしまう状態です。犬では猫よりも発生率が高く、また雌では雄よりも発生率が高いようです。
膀胱の出口の筋肉がゆるんで尿漏れをしてしまう以外の尿漏れとして、先天的な泌尿器の異常や膀胱炎あるいはストルバイト結晶などによる尿道の閉塞（不完全閉塞）なども考えられます。しかし、今まで述べたことはどれも確率的にはゼロとは言えませんが、かなり可能性としては低い方だと思います。
チビママさんのおっしゃったように、ストレス（先住猫との関係とか）の可能性も少しは考えられますが、食欲や元気に問題はなさそうなので、しばらく観察してみるのも良いかと思います。
最後に、犬では去勢手術をした犬が、高齢になってから尿漏れを起こすことがまれにありますが、猫での報告はあまり見当たりません。
しかも、去勢して間もなくのようなので、去勢手術が関係している可能性はかなり低いのではないかと思われます。
日本では、雄猫の場合、去勢手術は生後6〜8ヶ月以上経過してから行なわれることが慣例となっておりますが、アメリカでは生後2〜3ヶ月くらいで去勢手術が行なわれることもあるようです。
特に、チビママ☆さんがTiggerちゃんを譲り受けたような施設では、普通に行なわれているようですね。それはある意味、その子猫ちゃんがもらわれてからの事を考え、将来不幸な子猫を増やさないためだと思います。
こういった、早期の去勢手術で、何か問題が起きるのではないかという点に関してですが、私の知る限り、科学的（獣医学的）に問題はないということになっているので、アメリカでは早期の去勢手術が行なわれているようです。
ただし、症例数を重ねていくと、早期に去勢手術をしたことで何か問題が起きたという事例が出てくるかもしれません。
いずれにせよ、現在アメリカで行なわれているような早期去勢手術によって、本当に問題が起きていないのかどうかは、日本にいる私には経験もないことから、不明と言わざるを得ません。
まずは良く観察し、尿に問題がないかを確認して下さい。
もし、尿であれば（それ以外の体調に問題がなければ）もう少し環境に慣れるまで少し見守ってあげて、それでも症状が続くようなら、動物病院などに相談してみたらいかがでしょうか。（2005.1.26）