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漏斗胸には手術が必要でしょうか?

(Mダックス/オス/29日)
こんにちは。生後29日のMダックスがいるのですが、漏斗胸と診断され、肋骨の矯正ギブスをつける手術を続きするよういわれました。
まだ小さいので手術に耐えられるかなど心配で悩んでいます。
手術なしでもよくなる子もいると聞いた事もあるのですが。うちの子は重度と言われたので、やはり手術した方がよいのでしょうか? アドバイスお願いいたします。(chi_hiro1210さんより)


chi_hiro1210さんこんにちは。
漏斗胸は先天的な病気で、左右の肋骨が内側にまがり、左右の肋骨及びその接合部の胸骨が心臓や肺を圧迫してしまう病気です。
軽度〜中等度のものであれば、一生何も問題なく過ごせるのですが、重度のケースでは呼吸困難等の症状を呈することもあり、肋骨の矯正が必要になることもあります。
しかし、あまり重篤な症状が出てから矯正ギブスをつける手術を受けるのは、多少、危険を伴うことも考えられますので、獣医師の立場でどの程度の漏斗胸なら手術をすべきか、あるいはいつ手術に踏み切るかの判断は難しく、画一的な見解はないようです。
私自身、この方法をしたことはありませんが、学会雑誌の症例報告では、生後40日のシーズーで肋骨の矯正ギブスをつける手術をして正常な肋骨に戻ったとの報告もあります。このシーズーは呼吸困難という程の重い症状までは出ていなかったものの、軽度の運動不耐性(あまり動きたがらなかったり、運動するとすぐ疲れてしまうような症状のことです)の症状が出ていたので、手術をすることにしたとのことです。
 
いずれにせよ、手術が必要と判断された場合、成長期が終わってしまうとこの手術は無理なので、成長期間中にする必要があります。
先程お話し致しましたシーズーの手術の症例報告が1つの参考になるのではないかと思います。(2004.09.17)