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精巣がんについて教えてください

(ゴールデンレトリバー/オス/11年6ヶ月/名前・フォルテ)
5月6月の間に数回膀胱炎を繰り返し、8月に去勢手術に踏み切りました。そしてその摘出した右の精巣の続き肥大が激しく、検査をしたところ精巣がんであることが判明しました。血液検査でもALPの値が突出しており、他の部位への転移も考えられるそうです。
最近は息も荒く、動きが緩慢になってきていて現在は肝臓と胆嚢の保護剤を服用しています。
今後の過ごさせ方についてアドバイスを頂きたいのですが。(みっちゃむさんより)


みっちゃむさんこんにちは。ゴールデンレトリバーのフォルテくんの右の精巣が腫大しており、手術で摘出した精巣を検査したところ、精巣ガンと診断されたとのことですね。

一般に精巣ガンと言われる精巣の腫瘍にも何種類かあり、その種類により発生率や、転移率等が違います。

セルトリー細胞腫 発生率 30% 転移率 2〜14%
精上皮腫 発生率 30% 転移率 5%未満
間細胞腫 発生率 40% 転移率 0%

精巣腫瘍は一般的に良性なものが多いのですが、セルトリー細胞腫という種類の精巣腫瘍は2〜14%という低い確率ではあるものの、転移を起こす悪性の腫瘍の事もありますので、術後の定期的なレントゲン検査やエコー検査は必要かもしれません。
また、セルトリー細胞腫の場合、貧血や白血球減少症あるいは血小板減少症といったいわゆる骨髄抑制(造血機能低下)の併発症が起こることがあるので、血液検査によるチェックも必要と思われます。
 
フォルテくんの場合、ALP値が高く、息も荒く、動きが緩慢になってきているようですが、腫瘍の転移によるものなのか否か判断は難しいかもしれません。
もし、転移による変化だとすると、ALPの上昇は肝臓または胆嚢への転移か、骨への転移が考えられます。また、呼吸が荒いとすれば肺への転移が疑われます。
みっちゃむさんが術後の転移を心配されるのであれば、今申し上げました部分のチェックが最低限必要だと思います。(2004.09.09)