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脾臓に腫瘍が見つかりました

(トイプードル/オス/11歳6ヶ月/名前・クンクン)
約1ヶ月前に脾臓に腫瘍がみつかりました。当初4センチだった腫瘍が現在は6センチと急速に大きくなり続き体重も4.5キロから3.5キロに急速に減りました。
画像で診る限りは転移はしていないと思うが開いてみて転移している場合もあるとの事です。
1/3は良性の可能性もあるので手術を勧められていますが、脾臓の場合は悪性なら血管肉腫が多く助からないと言われました。
週1回程度胃液を吐く事があるぐらいで全体には元気ですが貧血が少しあるようです。
何度も家族と話し合いましたが激痩せ、急速に腫瘍が大きくなっているので悪性の可能性が高いとの結論で苦しい手術そして抗がん剤などの治療をして延命しても可哀想なので(もちろん長く生きて欲しいのですが)免疫治療でいこうと思っています。
お医者様からは破裂の可能性もあり手術をしない事が罪のようなニュアンスで言われてしまいましたが、飼い主としてこのような考え方はまちがっているのでしょうか?
クンクンは今とてもすやすや眠っています。(ミミさんより)


ミミさん、こんにちは。
クンクンちゃんの脾臓に(おそらく)腫瘍ができたとのこと、腫瘍も少し大きくなり、体も少し痩せてきているのですね。

問題は、手術をすべきか否かですね。
獣医さんから具体的にどのような言い方をされたかわかりませんが、ミミさんのお話から、手術をしないという選択は罪なことであるかのように言われてしまい、お悩みのようですね。
同じようなケースは日常的に多く存在し、色々な意味で悩まれている方々も沢山いらっしゃると思います。

私の考えとしましては、ミミさんのケースのように悪性の腫瘍の疑いがある場合で(一方で良性の腫瘍も考えられる場合)、しかも実際に手術をしてお腹を開いてみないと分からないケースでは、飼い主さんの意向は良く聴き、なるべくその意向に添うように努力をすると思います。
飼い主さんによっては、少しでも可能性があるなら手術を選択する人も居ると思いますし、逆に例えば60%悪性の腫瘍の可能性があり、場合により転移しているかもしれないと言われれば、手術せず、そのかわり最大限の愛情をもって最後までちゃんとお世話をしてあげるという選択をする飼い主さんも居ると思います。
私としてはその動物のためを思って出した結論であれば、どちらの選択も正しいと思います。
したがって、ミミさんの考えている選択も当然正しい選択だと思います(しかも、こうしてこのサイトにも相談に来てくれているのですから……。クンクンちゃんの事を真剣に考えてらっしゃるからこそだと思いますよ)。

それから、もう1つ(これは私の考えですが)獣医師の仕事は、何が何でも手術することではなく(もちろん助かる可能性が高ければ手術をすることをまずはお勧めしますが)、必要な検査をした結果出た診断を飼い主さんに伝え、その病気に対してどのような選択肢があるかお伝えすることだと思います。
もちろん飼い主さんが選択に迷う場合は獣医師の立場からアドバイスすることもあります。
ただ、最終的な決定は飼い主さんに委ねることだと思います。
これがいわゆる「インフォード・コンセント」なのです。
クンクンちゃんの体重が急速に減ってきた事は、重要なファクターだと考えます。手術のための麻酔のリスクも少し高まるファクターだと思います。(2004.07.22)