記事一覧

右目の瞳孔が開いたままになっています

(ネコ/メス/3ヶ月/名前・シビッラ)
初めまして。イタリアからご相談させて頂いております。5月から子猫を飼い始めたのですが(室内で飼っております)、続き3日前から、右目の瞬きの回数が多いと思っておりましたら、次の日の朝、右目がかなり腫れており、急いで、動物病院に連れて行きました。
猫が嫌がるので、麻酔?でしょうか、眠らさせてから、右目を掃除したのですが、中に何かが入ったということもなく、目を自分で引掻いた可能性もあるとのことで、とりあえず、目薬3種を一日4回しております。
一日経った今日、右目の瞳孔が開いたままになっており、心配してご相談させていただきました。
右目は見えているので、視力は大丈夫だと思うのですが、こういうことはよく起こるのでしょうか?
こちらの獣医さんにも色々聞きたいのですが、言葉の限界がありますので、どうぞよろしくアドバイスお願いします。(mimosaさんより)


mimosaさん、こんにちは。
遠い地のイタリアの生活は言葉の問題もあるようで、大変ですね。
さて、シビッラちゃんの右眼がショボショボしたので、そちらの動物病院で診察してもらい、3種類の眼薬を処方してもらい点眼しているうちに右眼の瞳孔が大きく開いていることに気づき、心配されているとのことですね。
まず、瞳孔が開く原因は2つに大別されます。
 
【1】何か眼の病気で瞳孔が開いている場合:第35回動物病院だより「眼の病気(特に飼い主さんの立場より)」の【1】〜【13】までの症状のうち【2】の「左・右のひとみ(瞳孔)の大きさが異なっている場合は、どちらかの眼が異常です」に当てはまります。
そのうちもう一方(正常)の眼と比べて瞳孔が小さい場合と、シビッラちゃんのようにもう一方の眼と比べて瞳孔が大きく開いている場合に分けられますが、それぞれ病気も違い、また、いくつか病気が考えられます。
瞳孔が開く病気には「緑内障」・「網膜変性等網膜の病気」・「視神経の病気」・「脳から視神経までの病気」、その他に重度の白内障により光が網膜までト到達しないようなケース等が挙げられます。いずれも重大な病気です。
 
【2】現在治療に使用している眼薬の作用として瞳孔が開く場合:眼の中に炎症が起こると(紅彩炎とか脈絡膜炎とかブドウ膜炎と言います)、眼がとても痛くなり、また瞳孔が小さく縮むことがあります。その時の治療として痛みをとってあげ瞳孔を開かせる作用の眼薬を点眼することはあります。
その眼薬の成分は「アトロピン」かまたは「トロピカミド」という薬品成分です。
この事は全世界共通なので、かかりつけの先生に「アトロピン」かまたは「トロピカミド」という薬が3種類の眼薬の中にあるのか否か、あるいは病院で診察してもらった時に先生が点眼したか否か聞いてみると良いと思います(「アトロピン」にせよ「トロピカミド」にせよ、商品名は別の名前で売られているので、あくまでも薬品の成分名で「アトロピン」または「トロピカミド」です)。
もし、これらのいずれかを点眼している(あるいは病院で点眼した)とすれば病的なものではないので、心配はいりません。
 
私の勝手な想像ですが、病気の症状や治療の流れから考えると【2】のケースの可能性が高いと思います。
「アトロピン」や「トロピカミド」の成分名は、世界共通ですので、以上の私の回答を参考に、いまいちどかかりつけの先生に相談されてはいかがでしょうか?(2004.07.20)