今月4日に、6月30日生まれのパピヨンの子犬をブリーダーさんのところから引き取ってきました
たくさんいる中で小さな姿が可愛く、この子に決めたのですが、今しつけの所を読んでいると早くに親や兄弟から離してしまったので色々心配になりました。というのも、遊ぶ時私たちの手や足をどうしても噛んでしまいます。まだワクチンを打っていないので(今月20日頃に一回目の予定)他の犬と遊んで教えてもらうことも出来ません。
そっと噛んでいて加減をしているのはよくわかります。噛みグセがつくと困ると思いながら、このくらいなら・・強く噛んだ時だけ叱ればと思っているのですがやはり全面的にやめさせたほうがいいでしょうか?
それから来たときから抱っこが嫌いで、抱っこすると体をひねって嫌がります。
だっこが好きになる方法があったら教えてください。
以上2点、よろしくお願いします。(konさんより)
はじめましてkonさん。生後2〜3ヶ月位の仔犬・仔猫はとにかく可愛いものですね。しかも、パピヨンの仔犬はかなり活発ですよね。
しかし、可愛いだけではいけません。それとともに必要なのがしつけですね。
しつけに関しては、第2回と第3回の「動物病院だより」に書いたのですが、その内容をkonさんは読んで下さっているようで、生後34日齢で手元につれて来たのを、少々反省しているようですね。
そうなんです、「動物病院だより」にも書いたように、生後50日齢くらいまでは親もとに居させてあげ、母親の愛情と母親のしつけ、兄弟同志のふれあいやかけひきも、自然と勉強させておかないと社会化(色々な人や事柄に順応していく力)がうまくいかないことがあります。
例えば、本来兄弟同志でいる犬は、お互いにどのくらいの力で咬むと相手が痛いのかを(場合によっては咬み返されたりして)自然に学習していくものです。
※この事はペットを販売する側のペットショップやブリーダーの方々にもよく理解しておいてもらいたいことです。
それでも事情があって早く手元に仔犬を連れて来てしまった場合は、今述べた事を頭においてルールを教えていく必要があります(仔犬同志のふれあいを目的としたパピークラスなどとても効果的だと思います)
■甘がみについて
ヒトの赤ちゃんが何でも手にしたものを口にしてしまう行動は、犬の甘がみと似ているように思います。したがって全ての甘がみが行動学的におかしな行動だったり、いけない行動だとは思いません。
konさんのパピヨンは軽く加減しているようなので、今のところ大きな問題とは考えなくても良いと思います。甘がみは普通は成長とともに自然に減少して行く行動なのです。
ただし、強く咬もうとしたり、我がままを言う時に咬んできたり、遊びに興奮しすぎている時に程度を越えて咬みに来るようであれば注意すべきです。
そんな時の対処法として、
1. お腹がすいている時に手からドックフードやおやつ等のごほうびを極少量づつ与えましょう。その時手を間違って咬んだら、だまってごほうびをもっている手を遠ざけましょう。
※ごほうびを与えてはいけません。
2. 1をしている時あるいはそれ以外の時でも興奮して手や足首・スリッパ等咬んできてしまったら、だまってその部屋からいなくなり、落ちつくまで咬む対象物(あなた)をなくしましょう。
3. 咬んでいいもの(犬用おもちゃ等)と咬んで悪いもの(人や家具等)を教えましょう。日頃は犬のおもちゃ等に「コング」と言われる物をうまく使うと遊びながらしつけもできると思います。
だっこの件に関しても、だっこされたら何かごほうびがもらえたという良い印象を与えるようにしてみたらどうでしょうか(陽性強化訓練)
まず、名前を呼んでこちらを見たら(アイ・コンタクト)何か好きなものを見せ、寄ってこさせましょう。
そのままだっこできれば優しく抱き上げてあげましょう。
正しい抱き方をしないで動物が不安定な状態だと、あばれてだっこを嫌がる子になってしまいます。
※優しくつつみこむように。
よって来ても、だっこさせない場合には、あぐらをかいて、あぐらの上に乗ったら、「○○ちゃん、いい子だねー」と優しくなでてあげてから、ごほうびを与えるようにしてみましょう。
これを続けていくと、だっこされるのが好きな子になると思いますよ。(2002.8.16)