以前に飼っていた猫のことなのです。保護されていた猫を貰ってきたのですが、およそ生後半年くらい経った時に去勢手術を受けました。その時の体重が約3.3キロ。性格はものすごく臆病で、私たち（夫婦）といる時は元気いっぱいだったのですが、人が来ればブルブル震えたり、玄関ベルが鳴るだけで隠れる仔でした。
予約した去勢手術の３〜４日前に下痢をしていたのですが、前日には普通のウンチに戻ったので、手術にのぞみました。病院で一泊後、自宅に戻ってしばらくすると、口の端からよだれをながしていました。よだれが止まらないので、先生に電話をすると「手術や移動で興奮していたり、緊張したりしたからかも。連れて来てもたぶん原因が分からないだろう。」と言われ、そのまま様子を見ることにしました。
そのうち、よだれは止まらず、落ち着きもなくなり、家の中を走り回り、立ったままおしっこをしたり、うんちをその辺でしたり、名前を呼んでも分からないようで、半狂乱でした。
結局、帰宅後、半日もしないうちに、最後は苦しみながら亡くなりました。先生は、去勢手術自体は何も問題なかったので、原因は分からないと言います。私たちはどうすることも出来ず、いまだにいろいろなことが悔やまれます。
今の仔（六兵衛）も男の子なので、いずれ去勢手術をしなくてはと思うと、怖くて仕方がありません。
去勢手術にあたって、やはり直前まで下痢をしているようなら、私たちの判断で止めるべきだったんですよね。（診察時には、説明しましたがそのまま手術になりました。）
時期は、生後半年くらいがいいと耳にしますが、捨て猫を貰ってきて（六兵衛もそうです）はっきりしたことが分からない場合は、時期をどう判断したらいいんでしょうか。
体重でしょうか？ちなみに、現在の体重は2.4キロです。
もしも、またよだれをたらすようなことがあったら、救急病院などに連れて行ったほうが良かったのでしょうか。
去勢手術でこんな悲しいことが、よく起こることなのでしょうか。
思い出すと目の前が暗くなってしまいますが、避けられないことなので相談させてください。（ろくべえさんより）
ろくべえさん再びこんにちは。以前にとてもつらい事があったのですね。
こんな悪夢としか言いようのない過去、当日ろくべえさん夫婦はパニック状態になっていたことと思います。こんなつらい体験をすると、今の六兵衛ちゃんを近い将来去勢手術をするのが恐くなってしまうのも理解できます。
まず、去勢手術に関して一般的なお話を致します。
去勢手術は特別難しい手術ではなく、危険を伴う手術でもありません（手術する側は、いくら簡単な手術と言っても気をぬくことはないと思います）
手術に伴う麻痺も近年では麻酔前の検査の充実やより安全な麻酔が行われるようになった事で、麻酔事故もかなり少なくなった事と思います。ただし、その動物側の体質的な特異性によってまれに起こると言われている麻酔ショックは、あらかじめ予測できない事がほとんどで、さらにより安全な麻酔薬の開発が望まれます。ただし、この麻酔ショックが起こる確率は1〜数万分の1と言われていますので、あまり心配し過ぎる必要はないと思います。
むしろ麻酔なしで手術をするなんて不可能ですし、動物愛護の観点からみても許されるものではありません。もしそんな事をした場合、痛みのあまりショック死（疼痛性ショック）してしまいます。さらに麻酔（全身麻酔）の目的は痛みを感じなくさせるのみでなく、意識をなくしてくれる作用があります。言い換えると恐怖感をなくしてくれる訳で、動物（ヒトも）を手術をするにはなくてはならない作用なのです。
まとめると、本来去勢手術はろくべえさんが不安に思っている程、実際は危険な手術ではありません（ろくべえさんの場合は以前の事がトラウマになっているようですが）
ろくべえさんの以前の猫が亡くなってしまった理由は残念ながら私にもわかりません（手術翌日の退院までは問題がなかったようなので麻酔ショックではないと思いますし、又、下痢の件に関しても考えたのですが、下痢を起こす病気も様々な病気があるなかでも、退院後家に帰ってからの症状である“よだれ”や“興奮”を現わして死亡するような病気は思いあたりませんので、数日前まで下痢をしていた事もあまり関係ないように思います）
しかし、今度六兵衛ちゃんを去勢手術したとしても同じ事が手術したことによって起こることは考えにくいので、安心して手術してもらえば良いと思います。
それでもろくべえさんがもし心配してしまうようであれば、
1.手術の前にきちんと血液検査等麻酔前の検査をちゃんとやって下さる動物病院を選び、
2.六兵衛ちゃんの調子が良い時に手術してもらう。（体調が悪いと思ったら思いきって理由を話し、手術をキャンセルし、後日にしてもらえば良いと思いますよ）
こ の2点を考えれば良いと思います。（2002.7.31）