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避妊手術について教えてください

(ヨークシャテリア/メス/1歳6ヶ月/蘭ちゃん)
マスダ先生こんにちは。いつも親切にお答えしていただきありがとうございます。蘭ちゃんは、寒いと床ペットの入った続きハウスにいるので、外出のときだけ洋服を着せています。
歯については、かかりつけの先生から噛み合わせに問題がないため、毎日の歯磨きで様子を見ていくことになりました。マスダ先生にアドバイスいただき安心していられたこと本当にうれしく思います。
今日は避妊についてお聞きしたいのです。1歳2ヶ月ではじめての発情、そのときも乳腺が発達して想像妊娠しているようだといわれました。
その後症状は消えましたが、また今日乳腺がはれ、病院の先生から想像妊娠なのでこのまま様子を見ましょう、今後子供が要らないのなら避妊を考えたほうがよいといわれました。
動物病院だよりをよんでも乳癌予防になるメリットがあるようですが、主人は、必ずどの犬も罹る訳ではないし、ほとんど他の犬と接触がないから自然のままにというのです。
私も麻酔をかけ術中何かあったらと思うと心配です。
子供を作るにも避妊するにも、もう決めなくてはならない時期にきていると思います。長くなってしまいましたが、よいアドバイスお願い致します。(蘭さんより)


蘭さん、こんにちは。
蘭ちゃんも元気にしているようでなによりです。
今回のご相談は、避妊手術をすべきか否かで悩まれているとの事。
私なりのアドバイスをさせて頂きます。

現在1才6ヶ月、4ヶ月前に1度目の発情があったとのことですね。
蘭さんのご相談の最後にありましたように「子供を作るにも、避妊するにも、もう決めなくてはならない時期に来ている」との事。
まさに蘭さんのおっしゃる通り、もし避妊手術を乳癌予防を目的とするならば、1回目の発情後・2回目の発情後・3回目の発情後と発情回数を重ねる程乳癌予防効果は下がってきますので、もうそろそろ決断した方が良い時期と言えるでしょう(これらの時期を過ぎてしまっても、乳癌予防はともかく子宮蓄膿症に代表される子宮の病気や卵巣の病気を予防することができます)。
もちろん避妊手術やその麻酔に関して、飼い主さんの立場としては色々な心配事があるかと思いますが、現在一般的に使われている麻酔は、昔より格段に安全性が増し、また、麻酔前の検査等により更に安全性は高くなっています。
一方雌犬の場合、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症といった、高齢になってから発症する病気が、近年、動物達が長寿(幸ばしい事ではありますが)になってきたことにより、増えてきているのも事実です。
この事は私の毎日の診療の中でも私自身、実感しております。
あとは飼い主さん達それぞれに、色々な考え方がありますから、今回お話し致しました事を参考にして、十分にご家族で話し合って、結論を出して下さい。 (2004.01.19)