(アメリカンショートヘア/オス/2.7歳/名前・アナ)
マスダ先生 先日は親切・丁寧な解りやすいご回答ありがとうございました。とても安心しました。
その後も、膀胱の麻痺は心配ない様子です。
ただ、やはり人間で言う“トラウマ”という状態でしょうか?
発病時、トイレで排尿する際、すごく痛く辛かったのでしょう…今も、怖がってる様子に見受けられます。
現在もトイレ(砂)で便はするものの、尿はしません。
24時間で1回ケージに付属している寝る場所(三角の棚)にあるカーペットを1枚全て塗らす程ですので、結構量は出ていると思います。ph6、体重4.7kg継続中です。
尿検査の結果は「心配する事は無いし極めて良い状態」と主治医の先生に言って頂けましたが、行動学上という部分ではあまりお詳しくない様子でした。現在は、念のため、電気(赤外線)治療をして頂いてます。
心配な事としては…
1.尿の量が少なくないか?
2.長時間、尿を貯めているのは良くないのでは?(どうも、ガマンしている様に感じます)本日の診察で触診してもらった際はあまり貯まって無い状態でした。
3.どうすればトイレで以前の様に排尿できるのか?
再度の相談で申し訳ございませんが宜しくお願いします。(ユミさんより)
ユミさんこんにちは。
前回の私の回答で、とりあえず、だいぶ安心できたとのこと、お答えしている私自身も嬉しく思います。
お話からすると、膀胱麻痺でもなく、ちゃんと(一度にまとめて)尿が出るようになったとのこと、何よりも、一番大きな問題が解決されたわけですから、本当に喜ぶべきことだと思います。
ただ、ユミさんの三つの心配が今回のご質問ですね(もう一度しつこく言いますが、尿はすっきり出ているものと思いますので、それを前提にしてお答えします)。
今回ユミさんが仰った三つの心配を、少し言葉を置き換えてみると、共通するひとつの事柄が浮かび上がります。
1.尿の量が以前の健康な時より少ない。
2.尿を長時間、我慢している。
3.トイレ以外の場所で尿をしてしまう。
というように言い換えられると思います。
さて、先程、私が言った共通するひとつの事柄とは何でしょうか?
私には、あー君が、常に緊張状態でいるように感じられて仕方ありません。その緊張状態の原因として、今、私が考えられることは三つあります。
1.前回も述べましたように、膀胱や尿道に違和感や痛みがある(現在、順調な様子ですし、数日以上続くことはないと思います)。
2.あー君にとって、いつもと違う対応をユミさんが行っている(例えばお薬を投薬したり……)。
3.(おそらく)あー君にとって、大嫌いな場所(ここでは動物病院)に毎日(?)連れて行かれる。
もちろん、私も動物病院の院長の立場として、言いたいことは「おかしいと思ったらすぐに動物病院に連れて来てください」ということです。
でも、あー君の場合は、今回私が最初の所でお話ししましたように、尿はちゃんと出るようになったわけですから、あとはかかりつけの先生から指示されていると思われる処方食による食事療法と、場合によってはある一定期間の飲み薬で大丈夫なはずです。
今回、ユミさんが仰っている「念のための電気(赤外線)治療」がどうしても必要なのでしょうか?
私の直感ですが(直感でいつもお答えしているわけではありませんし、直感に頼ってはいけないと思いつつ、今回のケースで私の直感を話させて頂きたいと思います)「念のため」の治療に連れて行かれることが、あー君にとってみると最大のストレス(緊張状態になってしまう原因)のように感じてなりません。
あー君は、おそらく気の小さく神経質な猫ちゃんではないかと、これまた直感で思ってしまうわけです。小さな変化を敏感に感じているのかもしれません。
もしそうなら、1日も早く、あー君の落ち着くように、病気になる前の生活に、あるいはユミさんの接し方も、以前のように、戻してあげることがキーポイントだと思います。 (2003.12.02)