(ミニチュアダックス/オス/4歳)
片側性の陰睾と言われ去勢手術をしましたが、そこの動物病院では腹腔内にあった睾丸は摘出しない方針と言われ、外に下りている方の睾丸だけを取りました。
このような方法でも精巣腫瘍などのリスクは減るのでしょうか?(soraさんより)
soraさんこんにちは。
soraさんの飼っている4才雄のミニチュアダックスが陰睾とのことですね。
陰睾については、第25回動物病院だより「去勢手術」にある程度詳しくお話しましたので参考にしてみて下さい。
そこにも書きましたが、
陰睾の場合
【1】正常な雄にくらべて、精巣腫瘍に7〜8倍かかる率が高く、しかも若い年齢(3才くらいから)で発生してくることがあるとのデータがあります。
【2】陰睾は遺伝する可能性があることがわかっているので繁殖させてはいけません。
こまかい事柄は他にもありますが、以上の2点がポイントです。
私も最近ミニチュアダックスの陰睾に出会う機会が多く、おそらくミニチュアダックス人気の中で商業主義的に無理な繁殖に起因している可能性を感じずにはいられません。
繁殖家はもちろん、一般の方々も、こういった遺伝的病気を持っている血統は繁殖に用いないでほしいと思います。
さて本題ですが、腹腔内にある睾丸の方が様々な条件(温度等)により、腫瘍化する可能性は高くなることが(動物病院だよりでもお話ししましたが)わかっています。したがって、腹腔内に睾丸がある(残しておく)ということは、同じリスクで精巣腫瘍にかかる可能性があるということです。
残念ながらリスクを減らす(あるいは無くす)ためには、腹腔内の残された睾丸を取る事だと言わざるを得ません。
そちらの先生の方針で腹腔内の睾丸は取らないということであれば、他の動物病院の獣医師の考えや意見を聴いてみる事(セカンドオピニオン)も良いと思いますよ。(2003.11.6)