(アビシニアン雑種/メス/18歳/名前・りん)
18歳になるメス猫リンが今年の夏に両目共視力を失いました。
右目は頬、顎に腫瘍が出来たため、左目は神経が原因だということです。
当初は右目が涙目になっていた為に動物病院へ連れて行ったのですがはっきりした原因は分からず1週間ほど通院したのですが、その後僅か1週間の内に両目共見えなくなってしまいました。
高齢とはいえ長年住み慣れた家具の配置を感覚で覚えているようですが、ふとした時に場所が分からなくなり途方に暮れていることもしばしばあります。
今まで通り家の中は自由に歩かせてあげたいのですが、何か盲目の猫の飼い方に関してアドバイスいただけましたら幸いです。(ゆりさんより)
ゆりさん、こんにちは。
リンちゃんは18才の長寿で、今までのリンちゃんに対するゆりさんの健康管理の努力がうかがえます。18才になって急に視力を失って、リンちゃんも戸惑う事もたくさんあると思います。
一般に視力を失うといっても、眼の病気によっては徐々に視力が低下して失明に至る場合は、どこにごはんがあって、どこにトイレがあるか記憶しているケースも多く、場合によっては、飼い主さんも失明している事に気付かない事もあります。
一方で、リンちゃんのように急に失明してしまった場合は、ゆりさんがおっしゃるように、色々と生活していくにあたり、戸惑う事もでてくると思います。
基本は2つあると思います。
1つは、リンちゃんの生活空間を少しづつ狭めていってあげることがリンちゃん自身、生活しやすくなると思います。
以前に「第12回動物病院だより猫の行動学(主になわばりについて)」でお話ししたのですが、猫が生活していくにあたり、
1.エサ場
2.トイレ
3.休憩をとれる場所(安心してできる場所:室内飼育ではお気に入りのクッションやいつもの指定席等)
この3つが必要です。
したがって、この3つを徐々に近付けていってあげたら良いと思います。
もう1つは、目の不自由な方が盲導犬の助けをかりるように、今度は逆にゆりさんがリンちゃんの目のかわりをしてあげることだと思います。
私がいつも動物病院だよりの巻末に記しているように「動物が我々に安らぎを与えてくれるお返しに、話すことのできない動物に対して気づかってあげること」が大切だと思います。
視覚のハンディがあり、且つ高齢のリンちゃんに対しては、もう少し、多く気づかってあげて下さい。
徐々に2人(1人と1匹)の息があってくるのではないかと思いますよ。(2003.09.09)